お金と恋愛と結婚について思うこと 〜婚活女子は草食系男子の夢を見るか?

今日のお金と恋愛・結婚観について考えてみました。


先日結婚したい女性は「自分で稼いで、ほどほどの男で手を打て

という記事を読みました。



勝間和代さんの「恋愛経済学」という書籍の紹介でした。



一番興味深い引用は次のくだりでした。

男性の希少資源は経済的資源とか時間的資源ですが、卵子の限られている女性の稀少資源はセックスなのです。

双方の稀少資源を交換するのが、一般的な結婚です。

社会学における経済学

いろんな事象を経済学に結びつけるのは、ヨーロッパ発祥の社会学のトレンドです。


フーコーやマルちゃんなどのロジックは、人間の自由と経済性の等価交換が得意技です。


今の草食系男子や婚活女子、晩婚化、晩産化、止まらぬ少子化、これらの事象はすべて経済に関係あると考えるのは、学問でご飯をたべている社会学者であれば、当たり前のことでしょう。(注:おーみゃんは、学問によりご飯でなく霞を食べてます)





不況だから・・・

  • 普通に恋愛できない。
  • 普通に結婚できない。
  • 結婚式を上げる費用がない。生活資金の不足。
  • 男性が家長として誇りをもって家を形成することができない。
  • 家の収入を確保できない。
  • 適齢で子どもが産めない。
  • 出産に係わる諸費用が出せない。
  • 妊娠したら(再雇用が厳しい状況では)仕事を続けられないかも知れない。


昨今の結婚事情と、経済的背景は表裏一体です。



草食系男子と婚活は同じ概念


これらは経済に関係あることは間違いないです。



なぜでしょうか?




経済が悪いと、就職、恋愛、結婚のハードルが相対的に高くなってしまいます。



長期で見て、今の現況は「ただの不況」の一言で片付けられるかも知れません。





その影響を悲しいくらいポジティブにマスコミが装飾した言葉が「草食系男子」であり「婚活」です。



いわゆる「非モテ」という言葉(現象)も、不況から派生したキャッチワードかも知れません。




草食系男子と婚活は、同じ(経済的に恋愛、結婚しにくい)現象を、異なる角度から見ているようなものです。





男女別の希少資源

書評の分析は以下のようになっています。

勝間氏は女性が男性に求めるものと、男性が女性に求めるものを比べると、男性のほうが少し大変だといいます。


その理由として、男性が女性に求めるものは絶対評価で何とかなるものが多いのに比べて、女性が男性に求めるものは相対評価で、ある集団の中で上位に位置しないと手に入らないもの(お金がその最たるものです)が多いことをあげています。


 つまり、男性は同性間での厳しい淘汰に耐えなければならないことになり、結果的に男女間で条件が合わず、未婚率が上がってしまうということになるのです。


ふむふむ。



男性の資源価値が、相対的かつ客観的な指標で測れるものであるのに対して、女性の資源価値は、絶対的かつ主観的な思い込みで測れるものということです。

しかし突っ込んだ言い方をすると、勝間氏は、卵子という資源に着目しています。


ですので、男性の価値も、女性の価値も相対的かつ客観的な指標で測れるものであると思います。


むしろ女性のほうが時間制限が短くはっきりとしています。



女性の希少資源

むかし、若い女性が、喫茶店で何気なく会話していたのを思い出します。




「女性は、子供をうまなくてはいけない体の時限爆弾(時間的制限のことだと思う)があるの。


だから結婚しなくちゃいけないし、子供もうまなくちゃいけない。


でもわたしはもっといろんなことして遊んでたい」




へーとそのときは思いましたが、それらは女性自身が一番主観的というか本能的に理解されているのではないでしょうか。



女性の肌や髪につやがあったりするのは、孔雀と同じように異性に結婚適齢期を本能的に気づいてもらう必要があったための進化だと思います。


進化しすぎた化粧やCGの技術により、その本来の目的性は損なわれたため、男性も視覚の本能が低下してきたかも知れません。




男性の希少資源

ちなみに男性の価値が社会的成功という生存競争の序列という考えは、当たっていると思いますが、若干正確性に欠けるように思えます。


むしろ『経済に根付く能力』をもっているかだと思います。




その能力が測りにくいので、結果であるお金の保有有無を判断材料にするのだと思います。



なぜならお金はほとんどの多くが税金で回収されてしまいます。



3世代まで財産をつなぐのは、国内の法律だけではかなり厳しい物があります。



そもそも子孫を残すのは、強い遺伝子を残すためであるので、本来、お金を残すためではありません。



”お金を持つ能力である”遺伝子を残すことが、生物学的には重要なはずです。


ところがその能力は全く不可視なので、客観的な指標としてお金が登場します。



お金を生み出す能力

といっても、お金に根付いた能力とは何であるかを考える必要があると思います。


そうでないと、不況のときは、経済的な強者の絶対数が少ないので、お金に根付いた能力(遺伝子)がさらに分かりにくくなります。



そもそもお金という概念は、有史以来、人間が考え出したコミュニケーションの手段であり、一つの環境と言い換えていいかも知れません。




お金は環境

お金は、生活に必要な環境の一種です。


現在、客観的に見ても、共通的で、価値順位の高い思想、考え方、行動力学がお金です。



結局は、そのような価値環境に順応できる遺伝子を、未来に残すという流れは変わっていません。




男女の結婚的等価交換

女性が時間の資源を結婚の等価交換に用いるとして、男性も時間の資源を交換に用いるはずです。


男性の結婚に係わる時間制限とはなんなのでしょうか。


子供を生む機能は、結構長いのですが、おそらく、ホルモンなのではないでしょうか。


仕事のやる気であるとか、ストレスや欝に対処する免疫、創造性を発揮する才能もホルモンと関係あるようです。


ストレスの治療薬に、脳内物質を制御する薬の認可が増えてきているのは、その一例です。



そう考えると、環境という点で、狩りと同じにお金を生み出す能力も、脳内の分泌制御によるのではないでしょうか。



この能力が大体40代ぐらいまでで、男性はピークを終え、あとは低下するだけと思われます。


おそらくこれは生殖とも関係しているはずです。


性欲の減退も関係するでしょう。


40代後半から欝が多いのは、ストレス免疫であるホルモンのバランス悪化が主因かと思います。


生物学的な結婚適齢期

生物学的に見て、男性は40代まで、女性は30代までが結婚の等価交換を行える適齢期のようです。


これは時間的制約の比較では、男性有利です。


その差分または裏返しか、「肉食系女子」というような言葉が生まれたのだと思います。

この傾向は、従来の大和撫子像へのアンチテーゼではなく、一つの女性の進化(環境適応能力)と受け取るべきです。


積極的な女性が悪いという合理的な理由はなく、不況下では、むしろ尊ばれるべき存在です。



例外はあると思いますが、このような現況で、悲しいのは男性の能力が、背景の経済事情に構造的に引きづられることです。


まさに運命(ときに時代、ときに企業)の歯車である男性の悲劇です。



20代から40代までの男性は、不況に引きづられて結婚できにくくなり、相対的に男性人口に比例して、女性も結婚できにくくなります。これもまた悲劇です。



そのような背景では、年齢や経済力の差が離れたカップルが生まれやすくなるでしょう。


生殖能力の低減

生殖能力の低減もあるかと思います。


これは昆虫の例なのですが、女王蜂は、特殊なホルモンを出して、巣にいる自分以外のメスの生殖能力を低減させるようです。

だから同じ巣のなかで、出産できる女王蜂は一匹しかいないそうです。



人間も同じように、社会からストレスや不安感を受けて、ホルモンの代謝等に影響があると、生殖能力が下がる可能性が高いと思います。

草食系男子という言葉がありますが、むしろ生殖能力の低下の裏返しのようにも思えます。



同じ巣のなかのパワーバランスを崩さないために、ホルモン制御により、自己の生殖能力を封印するという哀しい社会適応能力が、昆虫と同じく、人間にも備わっているのかも知れません。




解決の糸口

なかなか見えません。


裏返して経済がよくなれば、結婚率や出生率は上昇すると思われます。


また不況と言っても、世界第3位の国なので、バブル期よりは不況と言い換えたほうがいいのかも知れません。


もっとGDPが低い国はわんさかあります。


ただ言えるのは、上のような構造もあるぞと、結婚予備軍の男女ともに認識することです。



認識した上で、こういう時代に縁あって生まれたけど、いっしょにお付き合いしませんか?暮らしませんか?


お休みの日には公園しか行けないけど、子供を家族に増やしませんか?


みたいな、緩やかな経済的妥協を前提に、限られた時間のなかで交際し、結婚したりする割り切り能力またはセンスが、必要になってくると思います。



これは、コストなく獲得できる後天的な能力またはセンスです。



不況砂漠を乗り切るために

出産などは、新しい命がからむので慎重に進める必要があります。

一方で昨今、育児関連法は充実の一途をたどっていますので、唯一の微風かも知れませんが、追い風があることです。

そのうち政府にみんなで意見すれば、育児休業の期間等も1年から3年になるかも知れません。

その場合、私企業への打撃はあるかも知れませんが、少子化時代の人材確保の一環、社会貢献と割り切るべきです。



こども手当ての方向性は間違っていないのですが、短期的な今の方法が適当か誰もわかりません。



所見ですが、子供を生めば生むほど、加速度的に税金が安くなるといった出産、育児の結果を元にした施策のほうが、あまり初期費用がかからず、むしろ中長期の財政的にリーズナブルなのではないでしょうか。


人口爆発の中国が「一人っ子政策」をしたので、逆の政策をすれば、人口が増えるかもです。


(ただし出生率が2人だと人口が減りそうです。第一子出産から最終的に出生率3人以上を目標にして、30年先までの人口推移に連動させて、税の支出入と社会保障を試算すれば、適切な徴税率のラインが見えるはずです)


厚生省、財務省、法制局から成る少数精鋭で、3ヶ月ぐらい詰めれば、整備可能なリーズナブルなプランでしょう。大少子化時代は、目前です。




出産や育児自体が、家族や自分のためだけでなく、将来の国の社会保障GDPを支えていくための尊い貢献になります。



日本を、一つのばかでかい家族だと思って、この不況砂漠を乗り切っていくのはどうでしょうか?