Googleがネット不通のエジプト向けサービス「speak2tweet」を始めたけど、大丈夫なのかの巻その4?(おまけ)
エジプトでGoogle幹部のワエル・ゴムニ氏がカイロで解放されたとのことです。
とりあえず本人の命に別状なくよかったです。
エジプトはこれにわきだち、彼を民主化の旗手として、デモを続けたようです。
そして、本日(11日夜、日本時間12日未明)に、ムバラク大統領が辞任とのことです。
お祭り騒ぎになっているエジプトですが、
はたしてエジプトは民主化されたのでしょうか?
大統領の動向
辞任演説後、大統領はシャルム・エル・シェイクという保養地に移動したとのことです。
運河を使って移動もできるし、飛行場もある国際的なリゾート地です。
ムバラク大統領は、9月の大統領選までは、職にとどまる予定です。
中東の民主化の波(the Middle Eastern Wave Democracy)
チュニジアから始まった体制崩壊の波が、エジプトまで広がりました。
そのなかでFacebookやTwitterがその役割を加速させたことには、大きな意味があるのでしょう。
世界中の独裁国家は、これに端を発しないように、厳戒態勢を敷いていることでしょう。
ISPを遮断しても意味がないことは、エジプトの例でわかったはずです。
「情報技術による民主革命」とでも呼ばれるのでしょうか。
政変後の政権移譲
問題は政変直後なのです。
エジプトは大統領が辞任した後に、その暫定的な政治権限が軍最高評議会に移譲されたのとことでした。
暫定政権が軍部に委ね慣れると、たいてい対外交リスクが高まるものです。
軍事の専門家が、政治の多面的な面をカバーすることは、専門性が異なり、極めて難しいからです。
軍事の指揮権限
日本の自衛隊が内閣総理大臣が最高指揮監督権を有しているように、
大統領が軍部の最高指揮監督権を有しているので、今回その指揮権が軍部に委ねられたということは、
軍部の監督権限が自己監督になるので、民主主義の常識から考えると、政情は不安定なままです。
日本国憲法の場合、調べてみると、第66条第2項には
とあります。文民というのは軍人を除いたという意味です。
日本はかつての歴史から学び、軍事の執行権限を、軍自体から取り除く工夫を行ってきました。
エジプトの場合、暫定的であっても軍事政権となり、近隣諸国のイスラエルなどは戦々恐々としているはずです。
ニュースで民主化されたというのは、エジプト市民の声であって、政治的な態様を示すものではありません。
政治的な態様は、独裁政権から軍事政権に移っただけの話です。
現時点では、国内情勢は安定しているかはわからず、今後の行方が注目されます。