「精神と肉体」または「脳と肉体」について〜ぼくとニーチェとShape Of Your Heart。

オーストリアの天才学者フロイト精神疾患(ヒステリックなど)を唱えて1世紀近くになりますが、いかがお過ごしでしょうか。



おーみゃんです。





夫が欝になったことが漫画、ドラマ化、映画化されるような時代です。




最近、うつ病などに代表される精神疾患について、NHKなどでも番組などが組まれるようになりました。





それぐらい身近な存在になったうつ病精神疾患)でした。

ツレがうつになりまして。

ツレがうつになりまして。




はたして、精神疾患とは、心の病なのでしょうか?





精神疾患研究の始祖フロイト


今回は、精神疾患(病)を学問として体系づけたフロイトに沿って考察してみましょう。



現代に派生する精神病分析の始祖フロイトに係るWikipediaの考察です。

脳神経の働きと心の動きがすべて解明されれば、人間の無意識の存在はおろか、その働きについてもすべて実証的に説明できると彼は信じていた


そうです。



脳神経の働きこそが精神に係わるキーワードとあります。







科学者フロイトの悲劇

続く記述には、

フロイトは終生、脳と心の働きの連関を「科学的に」解き明かすことを研究の主旨とし、目標とした。

したがって、目標達成の可否はさておき、そうした原点を無視して、フロイトの方向性を「科学ではない」などと早計に断じることはできない。


問診の統計も、フィールドワークという科学に入ります。





ここで断じていいのは、目標達成の可否ではなく、脳科学へのアプローチにおいて、物理的考察ができなかったことです。






フロイトの科学者としての最大の悲劇は、

当時の脳細胞の研究は一段落ついており、かわって心理学や、当時の流行病であり謎でもあったヒステリーの解明が新たな挑戦課題となっていた。

とあるように、時代の脳科学が追いついていなかったところです。




また時代の影響もあってか、ヒステリーの解明に移っていったようでした。その後の戦争も影響が大きかったでしょう。




科学者の生涯功績

野口英世が、生存中に電子顕微鏡がなかったために、ウィルスの正体が掴めなかった事実と似ています。




科学者の生涯の功績(最終的な研究成果)は、生存中の科学背景によって、決まってしまう部分が大きいです。




それを運と断定するかは、難しいところです。




と、考えると世界的に長生き傾向にある日本人の研究者は、有利にも思われます。





精神障害の原因


さて、話を戻して、精神障害の原因はなんなのでしょうか。


最近の精神医療は投薬により、セロトニン等の脳内物質を制御をするものが、厚生省でも認可され、遅れて副作用なども研究されてきています。


一定の効果があるため、認可されているのであって(アメリカの製薬の認可が主ですが)、



このことからも脳内の要因が、多くの精神障害に起因しているように思われます。



セロトニンとは

wikipediaによると

セロトニンは中枢神経系にあり、これらが人間の精神活動に大きく影響している。

日常生活から、うつ病神経症などの精神疾患(無論全てではない)に至るまでセロトニンの影響が注目されるようになり、近年では、セロトニン系に作用する薬物を用いることによって、これらの疾病を治療することができるようになった。

主な薬物に SSRISNRI があり、両者共シナプスから放出されたセロトニンの再吸収を阻害する事により、症状を改善する。

片頭痛の原因の一つとして知られている(過剰分泌により発症すると見られている)。

とあります。

脳に係わる科学の進歩

フロイトの時代は、脳内を輪切りで撮影するCTスキャンの技術もなく、対人の問診を繰り返し、経験値をためる研究しかアプローチがありませんでした。



もしくはユングのようにオカルトの研究に近くなるしかありませんでした。





現在、科学は飛躍的に進歩しました。


精神にとって大事な分析は、脳内神経、ホルモンバランス、代謝と包囲網を狭めてきました。





心のカタチ・場所


さて、脳科学が進歩する前、心がどんな形で、どこにあるかは謎だったのでしょう。



たとえば精神という考えは、潜在意識の発見を含め、20世紀に生まれた概念かも知れません。




ハート(heart)というと、心臓を指しますが、精神(心)が胸にあるというのは、その名残りのようです。


心が胸にあるというのは、脳科学的には適切ではないと思われます。




まぁ、精神状態によって心臓の鼓動が変わるので、心臓にあるというのも一利ありそうですが、


脳神経が先に認知して心臓へ信号をおくっているはずです。







脳内物質と肉体から見たニーチェ


脳内で分泌される物質は、数千年前から狩りや領土争いなどで、発揮されてきた能力です。


ドーパミンを出して脳内の調整を行い、ストレスである痛みを堪えたり、相手の物理的な攻撃をスローモーションに知覚するといったことは、その一例でしょう。



肉体を脳内物質は制御することができます。




ニーチェが脳神経の肉体への影響を知っていたら、後半の著作はかなり内容が変わっていたことでしょう。




ある意味、心を操作するのが肉体というニーチェのテーゼは、肉体が脳という物理的な身体機関をカバーしているということだったのかも知れません。


もちろん、当時、脳についての研究は進んでいませんでしたから、結果論ですが。


そのあたりはニーチェの直感の鋭さです。





また近年、アメリカなどでは、一部の患者限定ですが、精神疾患に対して外科手術を行うアプローチもあるようです。





精神病に向きあう研究者

精神病の治療は、フロイトの流れから変わらずセラピーや問診に頼るところが大きいです。




それは一部あってもいいと思いますが、今後は脳科学にシフトすると思います。





精神と呼んでいるものは、脳内の分子レベルで物理学として検証できるはずです。





精神病の学問体系は、今までの方向を改め、大きく方向転換を決すべきときが来るでしょう。






今後、精神医学、それに追随する医師や学者は、脳と科学的にどう向き合っていくのか重要な課題に思われます。



(もしかしたら学問的にはかなり進んでいるのかも知れませんが。いずれにせよ脳(物理)学との統合は避けられないところでしょう。それがフロイトの積年の夢だったのですから)





精神障害の治療は、適切な物理医学の方向に進んでいくことが、科学者にとっても患者にとっても、
ハッピーなんだと思います。


原因が明瞭でない病気は患者にとっては恐怖であり、医者にとっては非科学的ですから。





別れた弟子たちに


新天地に旅だったツァラトゥストラは人間ドックから帰ってきて、弟子たちにかく語れり。



「精神とは脳の道具に他ならない」と